「薬に頼るはずが、薬に縛られる」

「薬に頼るはずが、薬に縛られる」

パキシル(パロキセチン)とソラナックス(アルプラゾラム)は、うつや不安を和らげる目的で広く処方される薬です。しかし、長年の併用には見過ごせないリスクが潜んでいます。

パキシル ― 劇薬指定の抗うつ薬

パキシルはSSRIと呼ばれる抗うつ薬で、日本では「劇薬」に指定されています。これは、適切に使えば効果がある一方、誤った使い方や長期連用は深刻な副作用を招く危険があるという意味です。特に問題なのは「離脱症状」。突然減らしたりやめたりすると、めまい・強い不安・“電気が走るような感覚”が出て、患者が「薬なしでは生活できない」と錯覚してしまうことがあります。

ソラナックス ― 麻薬に近い依存性

一方ソラナックスはベンゾジアゼピン系抗不安薬。依存性が強く、やめるのが難しいことが最大の特徴です。アルコールや麻薬性鎮痛薬と同じ「中枢神経抑制作用」を持ち、長期に使うと効果が薄れ、量が増え、やがて離脱症状に苦しむという悪循環に陥ります。

併用の落とし穴

この2つを長年併用すると、

  • パキシル:やめにくさ(強烈な離脱症状)

  • ソラナックス:依存性(常用せざるを得ない構造)
    が組み合わさり、**「薬から抜け出せない生活」**に陥る危険性が非常に高まります。

本来の治療目的を忘れないために

薬はあくまで「回復のための一時的な支え」です。長期に安易に続けることは、治療ではなく「薬漬け」につながります。心理療法や生活改善と併用し、最終的には薬から卒業する道を探ることこそが、健康回復への真の近道です。

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