1. 理念だけが先行し、現場が置き去り
「子どもまんなか社会」。
耳触りの良い言葉だが、現場の声を聞けば違う現実が見える。
保育士は過重労働、児童相談所は人員不足、家庭支援員は非正規雇用。
制度の上では“子どもを支える仕組み”が整っていても、
その土台となる現場職員の生活と待遇が崩れている。
理想を掲げるほどに、現場との温度差は広がっている。
2. 予算の膨張と成果の不透明さ
2025年度、子ども関連予算は7兆円を超える。
だが、出生率は上がらず、虐待件数も減らない。
つまり、巨額の支出に対して、明確な成果が見えない。
国民の税金を使う以上、
「どこに、いくら、どんな効果があったのか」を
可視化する説明責任が必要だ。
現状の「実績報告」は数字の羅列にすぎず、
“子どもまんなか”の中身が見えない。
3. 「保護の名のもとに家庭を壊す」構造
児童相談所の一時保護のあり方も深刻だ。
曖昧な判断基準のもと、親子が分断されるケースが後を絶たない。
必要な保護は当然行うべきだが、
“過剰な介入”が人権侵害につながる現実を行政は直視していない。
子どもの安全を守ることは大切。
だが「家庭を壊して守る」という矛盾を放置する限り、
この国は本当の意味で子どもを守れない。
4. 「子どもまんなか」ではなく「行政まんなか」になっていないか
政策の多くが“現場での実効性”よりも“省庁の整合性”を優先して動いている。
官僚のポスト調整、縦割りの温存、実績アピール。
子ども家庭庁は、いつの間にか“省庁の延命装置”になっていないか。
理念だけを繰り返し、実務は疲弊する。
その構造が続けば、いくら美しいスローガンを掲げても、
国民の信頼は戻らない。
5. いま必要なのは「評価される成果」ではなく「感じられる変化」
数字ではなく、現場で感じられる支援こそが信頼を取り戻す鍵。
・相談したらすぐ返事がある
・困ったときに誰かが来てくれる
・保育や福祉の職員が笑顔で働ける
そうした“実感ある支援”が広がらない限り、
どんなに制度を作っても空虚だ。
🌿結論:
子ども家庭庁が変わらなければ、
「子どもまんなか社会」はただの言葉になる。
国民が求めているのは、
温かい支援であり、冷たい書類ではない。