DIYの車整備、最低限なにが必要? 実践的な工具リスト

自分の車を自分で整備してみたい。そう思ったとき、最初に壁になるのが「工具」の準備かもしれません。 ホームセンターに行けば無数の工具が並んでいて、セット品もピンキリです。いきなりプロのようなフルセットを揃える必要はありませんが、かといってあまりに安価なものや、必要なものが欠けている状態では、整備そのものが危険な作業に変わってしまいます。

今回は、実際に軽い整備(オイル交換やタイヤ交換、簡単なパーツ取り付けなど)を始めるにあたって、「これだけは最低限手元に置いておきたい」と感じる工具を整理しました。

1. まずは「安全」を買う(ジャッキ・リジッドラック)

工具の話をすると、ついレンチやドライバーに目が行きがちですが、車の下に潜る作業をするなら、何よりも先に「車を安全に持ち上げ、固定するもの」が必要です。

  • フロアジャッキ: 車載のパンタジャッキはあくまで緊急用です。普段の整備には、油圧式のフロアジャッキがないと作業効率が悪く、不安定です。
  • リジッドラック(ウマ): ジャッキだけで持ち上げた状態で車の下に潜るのは、命に関わる行為なので絶対に避けてください。ジャッキは油圧が抜けたら下がります。必ずリジッドラックで車体を固定する必要があります。

この2つは、作業の「道具」というより「命綱」に近いものです。

2. 回すための基本セット(ソケットレンチ・メガネレンチ)

車のボルトやナットは、基本的に六角形です。これを回すための工具が整備の主役になります。

ラチェットハンドルとソケット

「カチカチ」と音を立てて回せるラチェットハンドルは、作業効率を劇的に上げます。 差し込み角(ハンドルの四角い部分のサイズ)は、乗用車なら**3/8インチ(9.5sq)**が最も汎用的で使いやすいでしょう。

揃えておきたいソケットのサイズ(mm):

  • 8, 10, 12, 14, 17, 19 この6種類があれば、国産車の日常整備のほとんどをカバーできます。特に10mm、12mm、14mmの使用頻度は非常に高いです。

メガネレンチ

固く締まっているボルトを緩める最初の一撃や、最後にギュッと締め付ける(本締め)作業には、ラチェットではなくメガネレンチを使います。ボルトの頭を全周で捉えるため、力が逃げにくく、ボルトを痛めにくいからです。 これも8-10mm、12-14mmといったコンビネーションになっているものが数本あると役立ちます。

3. 握る・切る・回す(ドライバー・プライヤー)

ボルト・ナット以外にも、ネジやクリップ、ホースバンドなどの部品があります。

  • ドライバー: プラス(+2、+3)とマイナス(-6程度)。特にプラスの2番は内装や小さな部品で頻繁に使います。長さの違うもの(スタビードライバーなど)があると狭い場所で便利です。
  • プライヤー: ペンチやニッパーも必要ですが、まずは掴む作業全般に使えるプライヤー、あるいは挟む大きさを変えられるウォーターポンププライヤーが一本あると、ホースバンドの脱着などに重宝します。

4. 精度と品質について

「とりあえず安いものでいいか」と100円ショップの工具を使いたくなるかもしれませんが、車整備に関してはあまりおすすめできません。 精度が低い工具を使うと、ボルトの角を削り取って丸くしてしまう(なめる)リスクが高まります。一度なめてしまったボルトを外すのは、通常の整備の何倍も大変な労力が必要になります。

高級ブランドである必要はありませんが、KTCやTONE、あるいはアストロプロダクツなどのツールメーカーが製造している、一定水準以上のセット品を選ぶのが、結果として一番の近道だと思います。

まとめ

一度にすべて完璧に揃えようとスると、億劫になってしまうかもしれません。 まずはタイヤ交換ならクロスレンチとトルクレンチ、オイル交換ならそれにドレンボルト用のメガネレンチ、といったように、やりたい作業に合わせて少しずつ買い足していくのも、DIYの楽しみ方の一つです。

自分の手で整備した車は、今まで以上に愛着が湧いてくるはずです。安全第一で、少しずつ始めてみてください。

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